日々、ドナルド・キーンとともに

ドナルド・キーンと会沢正志斎

2024.11.2 / 

会沢正志斎は、幕末の水戸藩の思想家、徳川慶喜に開国を説き、後に自決。という高校の日本史の教科書程度の知識しか私にはありません。

Wikiには、

会沢正志斎 – Wikipedia

とあります。

最近の私の調査で、

A Plan for Tasks at Hand

Aizawa Seishisai’s Jimusaku

というドナルド・キーンの英文の論考を発見しました。

既に『ドナルド・キーン著作集』別巻に論文名は載っていますので、未発表原稿でもないのですが、私にとっては新発見でした。

「時務策」は漢文で書かれていますから、ドナルド・キーンは漢文で読んで英訳したでしょう。論文全体は、「時務策」についての論文と「時務策」の英訳、という構成です。

「時務策」は、会沢正志斎が亡くなる前年1962年(文久2年)に書かれました。

先ず感じたのは、さすがドナルド・キーン、着眼点が違うということです。しかしドナルド・キーンが「時務策」について書いたことはなんの不思議もないと思います。論理性があります。

ドナルド・キーンが84歳か85歳で書いた論考、つまりちょうど私と知り合った頃、『渡辺崋山』を書き終わったころかと想像します。

参考文献など見るとよくもこれだけのものを量も質も、読み込んだものだと感心することしきりです。

私は、「時務策」の載っている『新論』(講談社学術文庫)を購入して勉強し始めるところです。『日本思想体系』53巻(水戸学)などもドナルド・キーンはかなり参考にしているようです。