忙しさで遅れ遅れですが6月18日(木)のご報告させていただきます。
コミンズ先生は、馬の稽古をするために自宅から脚立と使用する刀を持参して、大学の建物の外にあるスペースに持ち込みました。
この日は野外で馬の稽古をしたのです。
脚立と刀を持ちながら、「大学教授の仕事はこんなものですよ」と楽しそうに話しました。
脚立は、馬に乗る人が馬に乗る時に使います。
馬の脚になったり、馬を引いたり、また馬に乗ったりする学生さんたちが集合して、劇場のある大学の建物(Lincoln Hall)から馬が運び出されました。数年前に初めて三島由紀夫の『鰯賣戀曳網』を上演した時に作って、Lincoln Hallにずっと預けてあったそうです。
馬の中は写真のように大変複雑な構造になっていました。本物の歌舞伎で使う馬はこの馬のだいたい3分の2程度だそうです。英語歌舞伎の場合、190㎝くらいある役者さんが乗るのが普通ということもあり大きく作ったそうですが、それにしても大きいと思いました。
実際に稽古場で馬の練習をするのは場所も取るし天井も馬に乗る役者さんの頭がつっかえてしまうことも考えて、練習を屋外にしたそうです。
馬の脚になる二人は今回はそのひとりBlainnは経験者だったので助かりました。前脚になってもらい馬の歩く速さや方向を任せました。
稽古では、馬の歩き方や馬に乗って馬の上から柳の前を切りつける役の、Stormが馬に乗ること、馬に乗ったまた刀を抜いて柳の前を切りつける稽古をしました。幸いStormは私と同じくらい小柄でしたので助かりました。
写真のようにコミンズ先生が柳の前になってStormに切りつけられました。
この場面は、ほぼ『弘知法印御伝記』の原作と同じです。
コミンズ先生のお宅では、かつらの準備が着々と進んでいました。