出版界におけるドナルド・キーン生誕100年記念、第二弾のお知らせです。
1979年(昭和54年)に文藝春秋社から出版された自伝『日本文学のなかへ』が43年ぶりに文庫化されて再び出版されます。4月に予定されています。
ドナルド・キーンとしては、『日本との出会い』(中央公論社:1972年)に次ぐ二冊目の自伝です。父は生涯5冊の自伝を遺しました。正確に言うと4冊とも言えるのですが、そのことについては別の機会にお話しさせていただきます。
この『日本文学のなかへ』は、文藝春秋社の雑誌『諸君!』に連載された自伝でしたが、他の自伝と違うのは父自身が執筆したものではなく親友・徳岡孝夫によるインタヴューによって文字おこしされたものでした。ですから父の話しがそのまま聞こえてくるような感覚もあり、また内容においても、話した方が書くよりも詳しかったり、興味をそそられたりすることがあり、とても面白いです。そういう意味で今回復刊されたのだと思います。
「解説」はインタヴューして下さった徳岡孝夫が書いてくださいました。また「まえがき」は私が書かせていただきました。徳岡孝夫と父との“親友ぶり”について知られざる意外な事実も書きました。
出版日など決まりましたら、あらためてお知らせさせていただきます。
写真は、1974年の『日本文学のなかへ』の書影です。