2月11日(火)は、ニューヨーク滞在9日目でした。
午前10時から午後1時まではいつもの通り、Butler Library6階で作業をし、その後はFaculty Houseで図書館の館長やおふたりのLibrarianの方とさまざまなお話しをしながら美味しい昼食をご馳走になりました。日米の図書館の違いなどとても参考になりました。
そしてその後3時半から父ドナルド・キーンとも何度か行った記憶のあるBroadway側の大学正門からちょっと行ったLe Monde(ル モンド)に行きました。
3時半のお約束で少し前に行ったのですが、すでにGeralde Curtis(ジェラルド カーティス)先生と奥様の翠さんは入り口に近い丸テーブルについておいででした。
とても美味しいオニオンスープとパンをご馳走になりながら1時間半のおしゃべりは大変楽しかった、というより大いに盛り上がり、あっという間の時間でした。おふたりとこんなにゆっくり話し合うのは初めてでしたが別れるときはハグし合い名残惜しい程でした。
ドナルド・キーンからはカーティス先生のことを、「優れた立派な政治学者でもあるけれど、プロ並みのすごいジャズピアニストでもあります」と聞いて驚きましたが、ある時六本木のアークヒルズクラブで渡辺貞夫さんとの演奏を父と一緒に間近で拝聴し、素晴らしさにビックリ仰天しました。その後何度かアメリカ大使公邸などでお目にかかったと思います。
奥様の翠さんは画家でいらっしゃいますが、父がニューヨークで翠さんの個展に行ったとお聞きしたので、コロナ禍でしたが銀座の画廊に行きニューヨークにいらっしゃった翠さんとズームでお話ししました。そしてその場で気に入った絵を買い求めました。それは私の感じではドナルド・キーンもきっと気に入るだろうと思うものでした。
そのようなことで今回幸いお目にかかることができたのですが、カーティス先生と父の出会いを初めて先生からお聞きしました。先生が、学生時代ではなくて助教授時代に父の『おくのほそ道』の授業を聴講されたときに出会い、それから親しくなられたのだそうです。
昨年12月にカーティス先生は日本経済新聞の「私の履歴書」で連載があり、私は記事をコピーしてあったので昨日帰国してから大急ぎで読み始めました。まだ3分の2くらいしか読み終わっていないのですが、こんなにも日本の多くの政治家たちと親しくされ、日本の政治を深く理解しておられるのかと感服してしまいました。他の新聞などでも先生の記事を読んで以前からある程度は存じ上げていたとはいえ、時系列に系統的に理解することが出来ました。
それに「私の履歴書」の中で少なくとも二度はドナルド・キーンのことに触れていただき、とても嬉しくありがたく思いました。
またお目にかかった時の写真を使用させていただくことも、ご許可いただき先生ご夫妻に心より感謝申し上げます。
(日本時間15日夕刻に無事帰国しました。)