財団からのお知らせ

黄犬忌記念事業 「西村有紀子ピアノコンサート」 のご案内(その2)

2024.1.12 / 

当イベントは、音楽が大好きだったドナルド・キーンの命日(2月24日)である「黄犬忌」(キーン忌)を記念したコンサートです。

二回目のご案内ですが、今回はチラシが出来上がりましたので、チラシをご覧になり是非チケットをご購入いただけますよう、よろしくお願い致します。

チラシにはドナルド・キーンが音楽が大好きだったこと、西村有紀子と知り合った経緯、コンサートに長年通ったことなど説明させていただきました。

 

ドナルド・キーンの心にふれたピアニスト

西村有紀子

ピアノコンサート

【第1部 コンサート】ドナルド・キーンが好んだ曲と解説

演奏 西村有紀子(ピアノ) 倉冨亮太(ヴァイオリン)

【第2部 対談】

出演 西村有紀子、寺田俊也 (司会)キーン誠己

チケット 2000円(全席自由/500名:当日券あり)

2024年2月24日(土) 滝野川会館 大ホール

開演14時(会場13時30分)

主催 一般財団法人ドナルド・キーン記念財団 共催 東京都北区

申込方法:

ドナルド・キーン記念財団のメールアドレス dk8asazo@gmail.com に、

  • 氏名(ふりがなもお願いいたします)
  • 電話番号
  • 枚数

(以上の情報は目的以外に使用することはございません)

を明記の上、「2月24日の西村有紀子ピアノコンサートのチケット購入希望」と書いて、お申し込みください。

当日受付にてお名前をお申し出の上、代金をお支払いいただけますとチケットをお渡しさせていただきます。

また、以下からもご購入は可能です。

▼WEBからのご購入(但し、1月1日から)
チケットぴあhttps://t.pia.jp/ [Pコード]260548

その他、全国のセブン―イレブンでもお買い求めいただけます。

*以下に当イベントのチラシをアップさせていただきます。

A3二つ折り裏表のチラシです。

以下は、チラシに掲載した私の説明文です。

 

~ドナルド・キーン“音楽はわが命”~

 

「ボクが赤ん坊のとき初めて覚えた言葉はミュージックだった、と母は言っていました」――父ドナルド・キーンは、嬉しそうに、よくこんなことを話していた。

日本文学の研究者として世界中に多大な影響を及ぼした父は、音楽が大好きで、優れた音楽評論家でもあった。しかし、そのことは意外と知られていない。子供の頃からクラシックやオペラに夢中になり、生涯音楽のない一日は旅行中でもあり得なかった。日本の伝統芸能を知るようになってからは、能や文楽、歌舞伎の音楽までも楽しんだ。コンサートでも家でも、感動した時は驚くほど大きな声で「ブラボー!」と何度も叫び、盛大な拍手を送った。

父の遺したレコード、CD、カセットテープ、DVDは、現在調査中だが相当の量になる。中には既に廃盤で、入手困難なものも多い。音楽に関する書籍も、生涯に四冊の音楽評論を著した。

アメリカや日本だけでなく、英国、オーストリア、イタリア、フランス、オランダ、ポーランド、チェコ、ロシアなど世界中でコンサートやオペラを楽しんだ。トスカニーニ、フルトヴェングラー、ラフマニノフ、ルービンシュタイン、ホロヴィッツ、リパッティ、マリア・カラス、フラークシュタット、タリアヴィーニなどなど、伝説的指揮者、演奏者、歌手を生で、それも全盛期に何度も聴いている。日本の音楽家では武満徹さん、中村紘子さん、小澤征爾さん等と親しく交流した。

だから、今年の父の命日である「黄犬忌」は、北区在住の西村有紀子さんのピアノコンサートに決めた。父が西村さんを知ったのは、共通の友人だったローマ在住でナポリ大学教授だった坂本鉄男先生と栄子さんご夫妻の紹介だった。ご夫妻も日本では、坂本先生が東京外国語大学教授で北区に住んでいた。父は1992年から、旧古河庭園の洋館(大谷美術館)で催される西村さんのコンサートに毎年欠かさず約25年間通った。そして西村さんのピアノを大いに楽しみ、応援し続けたのだ。

共演のヴァイオリニスト倉冨亮太さん(北区在住)は、父の大好きだったオペラの曲を弾いて下さいます。西村さんと倉富さんは一昨年、父が通った洋館で「ドナルド・キーン氏 生誕100年を記念して」と題してコンサートを開催して下さいました。

今回の「黄犬忌」では、西村さんの解説とともに、おふたりが演奏する父の好きだった曲を多くの皆様に楽しんでいただきたいと思っている。

また、西村さんの対談の相手の寺田俊也さんは、10代の頃から父の日本文学の著作に親しみつつ、父の音楽評論にも触れていました。「キーン先生は戦前のMETのオペラや戦後の欧州の音楽に生で接してきました。日本の音楽評論家とは異なる視点で音楽を語るキーン先生を、とても新鮮に感じました」と、寺田さんは語っている。音楽雑誌「モーストリー・クラシック」の2007年マリア・カラス没後30年特集号で初めて父を取材し、その後も同誌に20回以上取材記事を掲載して下さり、いつも父とは音楽談義で盛り上がりました。対談では、おふたりの父の音楽観について貴重で楽しいお話をお聞きしたいと思います。

(キーン誠己記す)