9月にドナルド・キーンゆかりの狂言の上演が東京と京都で催されることが、読売新聞の記事によって公表されました。
詳細は、ドナルド・キーン記念財団よりホームページなどで今月末までにはお知らせさせていただきます。
ドナルド・キーンは、1954年2月から二世茂山千之丞師のご指導のもと週一回の稽古に励みました。そして何度も舞台を踏むなど実践を積み、1956年9月13日には東京の喜多能楽堂ドナルド・キーン氏送別狂言會が開催され、ドナルド・キーンは「千鳥」の太郎冠者などをご披露しました。主催はドナルド・キーン氏歓送會でしたが川端康成のお声掛けだったようです。その会のことはNHKの映像が残されています。谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫、当時の松本幸四郎、森田たま、安部能成らが鑑賞しました。またドナルド・キーンは「附子」を英訳して1956年に『日本文学選集』Anthology of Japanese Literatureに発表するなど狂言にはそれ以降も生涯関心を持ち続けました。
9月の狂言会の番組(演目)などについて詳しくはチラシができた段階で発表させていただきます。今月末までにはお知らせできると思います。
注目点はいくつかありますが、読売新聞にもある通りそのひとつは三島由紀夫が古典狂言の「附子」をもとに執筆したいわば現代版「附子」(三島のユーモアとウィットがたっぷり)の上演で、それは初公開です。ニューヨークで1957年にドナルド・キーンが買い与えた茶色の表紙のノートに一気に書き上げたと聞いています。そのノートは現在コロンビア大学の図書館に所蔵されています。
読売新聞の記事は以下の通りです。
ドナルド・キーンさんゆかりの狂言、9月に日本初上演…親交深かった三島由紀夫が古典狂言「附子」を翻案 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
また1956年にドナルド・キーンが演じた「千鳥」の太郎冠者は以下の国際交流基金によるYouTube「日本文学を世界へ ドナルド・キーンの生涯」の冒頭で見ることが出来ます。
日本文学を世界へ~ドナルド・キーンの生涯~ (youtube.com)
また写真は、その時の番付(プログラム)です。